復興へ 福島・双葉郡8町が文科相に設置要請

東京電力福島第1原発事故で全住民が避難した福島県双葉郡8町村の教育長らでつくる協議会(座長・中田スウラ福島大教授)は31日、県立の中高一貫校新設を柱にした教育復興ビジョンを策定し、下村博文文部科学相に提出した。中高一貫校は2015年度開校を目標に同郡南部に設置。将来は福島大の付属校にすることも視野に入れる。一貫校新設で、いわき市内などでサテライト校として存続する県立高5校は休校となる見通しだ。8町村の教育長は今後、住民らに意見を聞きながら具体的な検討を進める。

 協議会は8町村の教育長をメンバーに、県、文科省、復興庁などが協力委員として参加し、昨年12月に設立。復興ビジョンは同日、文科省で開かれた第8回会合で、全会一致で了承された。

 中高一貫校は部活動などの集団活動ができる規模を想定した併設型で、中学は各学年2クラス、高校は同3クラス。入学方法などは今後検討するが、中学は双葉郡の生徒限定で高校は全国から募集する想定。大学とも連携し、教員の派遣を要請するほか、大学入試についても推薦枠の設定など、配慮を求める。設置場所は空き校舎など施設の確保▽放射線量を含む保護者の理解▽通学手段の確保--の3条件を満たすことを前提に、広野、楢葉、川内各町村内の中から、首長間の協議で決める。